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かくはんとは

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  • #乳化撹拌装置
  • #乳化
  • #エマルション
  • #スケールアップ
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はじめに…

これまでに、”乳化撹拌装置”という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

牛乳

”撹拌”に関してはなんとなく知っているけど、”乳化撹拌装置”となるとあまり聞いたことがなかった方が大多数だと思います。

それでは、”乳化”という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

この言葉は少し馴染みがあるかもしれません。身近な例で言えば、牛乳・バター・マヨネーズ等の食品が乳化の例として思いつきそうです。

水と油が使われていて、なんとなく見た目が白っぽいものが該当しそうですよね。

バター

乳化技術は食品に限らず、化粧品・医薬品・農薬・塗料等の幅広い分野で利用されており、各分野で様々な製品が発売されています。

このような乳化を利用した製品を製造するための装置が、上述した”乳化撹拌装置”の正体となります。

特に、化粧品製造向け真空乳化撹拌装置については、お蔭様で日本国内では圧倒的なトップシェアを維持しております。

”乳化”や”撹拌”は様々な分野に応用されている技術ではありますが、必要に迫られるまではあまり深く考える機会がなかったのではないでしょうか?

また、学術的に研究されている日本国内の機関が限られていることもあって、関連する情報を収集するだけでも一苦労します。

そこで、この「かくはんとは」のコンテンツでは、できるだけ平易な表現で関連する技術情報を発信していきたいと思います。

“乳化”を目的とした撹拌

みづほ工業株式会社は、「化粧品・医薬品の乳化装置および撹拌機などの製造販売」「工場排水処理装置の製造販売」「各種タンク・鋼構造物の設計及び施工」を事業とするトータルエンジニアリング企業です。

そして、「化粧品・医薬品の乳化装置および撹拌機などの製造販売」事業における主力商品として、”真空乳化撹拌装置”や試験機に相当する”研究用ミキサー”を取り扱っています。

研究用ミキサー
研究用ミキサー
真空乳化撹拌装置
真空乳化撹拌装置

…と、少し弊社のコマーシャル的なことをさせていただきましたが、これには理由があります。

「化学工学便覧」という辞書みたいに分厚い本があるのですが、下図はこの本に書かれている撹拌に関する目次部分を抜粋したものです。

[引用:社団法人化学工学協会編『化学工学便覧』丸善,1988]

この本を使って、一般的な世の中の人が撹拌についてどのように考えているかを確認してみたいと思います。

目次の20・1では、撹拌と併せて「混合操作」が紹介されています。そして、20・1・2では混合作用についての詳細な説明がなされています。

続いて20・2以降の見出しだけを見ていきますと、低粘性の液の場合、異なるもの同士の場合、高粘度の液の場合、練っていく場合…というように、「混合する」事例について順次紹介がなされています。

このことから、一般的な世の中の人は「撹拌する」=「混合する」という考え方を持っていることが分かります。

乳化撹拌の位置付け

一方で、”乳化”をするためには”撹拌”が必要ということに少し触れましたが、この目次の中には”乳化”という言葉が一切出てきません。

すなわち、弊社が取り扱うような”乳化”を目的とした撹拌は、撹拌分野の中でも隅っこに追いやられ、どうも例外的な位置付けであることが分かります。

”乳化撹拌装置”自体が例外的と言えるので、これまでにあまり聞いたことがなくても当たり前かもしれませんね。

したがって、従来の撹拌の考え方を取り入れつつ、“乳化”を目的とした撹拌理論を作り上げていく必要が出てくるのです。

開発プロセスにおけるスケールアップ

次に、良く問われる内容として「スケールアップ」があります。

引き続き、乳化を利用した製品を例にして考えることにします。

下図は、化粧品の開発プロセスを抜粋したものです。

[引用:光井武夫『新化粧品学』南山堂,1993]
スケールアップの考え方

最初に製品設計を行い、その後の試作実験を経て良いものができた!…となったときに、実際に製品を製造するためのプロセスへと進みます。

ここでは、「研究室で調製したサンプル」=「工場で製造した製品」となるような製造工程の開発が求められます。

上図においては、赤枠がスケールアップ操作に相当します。

このとき、”乳化”と”撹拌”に関する知見が必要になります。

学術的な分野で言うと化学・機械の知識が必要になりますので、考える範囲が広くなり少し大変かもしれません。

一方で、「スケールアップ」は工業化することを意味しています。

したがって、単に化学・機械の知識を活用するだけではなく、工業化の面を踏まえた検討も重要になります。

例えば、①製品を製造できる「撹拌装置」が存在するのか?、②どこまで「製造コスト」をかけて製造するか?、③「作業効率」を良くできないか?…といった点も併せて考える必要があります。

スケールアップによる“工業化”をする

「理論」「情報」「経験・ノウハウ」等の活用

このような状況を踏まえて、「混合・撹拌/乳化・分散プロセス」「スケールアップ」という2大テーマに対し、①これまで明らかになっている理論、②調べた情報、③培われた経験・ノウハウをどのように活用すべきかを考えてみたいと思います。

※厳密な理解や詳細な内容は、関連する専門書へと譲りたいと思います。

この「かくはんとは」のコンテンツでは、これら2大テーマに関する弊社の考え方を順次ご紹介していきます。

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