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かくはんとは

(2-2) 撹拌の立場から乳化をイメージしよう 【水溶液と分散液】

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アイキャッチ【撹拌の立場から乳化をイメージしよう】

いろいろな液体

小学校の授業

中学校の理科の授業で、複数の成分を含む液体について学習したことがあると思います。

しかし、このときの液体に関する学習といえば”水溶液”に関することがメインではなかったでしょうか?

理科の実験

一方、”水溶液”の対となる言葉で”分散液”があります。

この”分散液”については馴染みがない言葉であり、これまでにあまり考えることはなかったかと思います。

※正確には”水分散液”というべきかもしれませんが、ここでは”分散液”と表現します。

ここでは、“水溶液”と“分散液”の違いについて押さえておくことにしましょう。

水溶液

”水溶液”といえば、どのような性質があるのでしょうか?

水溶液

例えば、食塩水について考えてみたいと思います。

食塩水は食塩が水に溶解し、イオンの状態で均一に存在しています。

つまり、グラスに注がれた食塩水の上の部分を舐めたときと下の部分を舐めたとき、どちらも同じくらいしょっぱいことを意味しています。

それでは、砂糖水の場合はどうでしょうか?

砂糖水は砂糖が水に溶解し、分子の状態で均一に存在しています。

つまり、グラスに注がれた砂糖水の上の部分を舐めたときと下の部分を舐めたとき、どちらも同じくらい甘いことを意味しています。

食塩や砂糖がどのような形で溶解しているかはここでは関係なく、”水溶液”でポイントとなるのは、結果的に「均一に存在している」ということです。

分散液

データ

”分散液”といえば、どのような性質があるのでしょうか?

ここで、コーヒーに関する他社様のデータ・資料をご紹介いたします。

缶コーヒーの粒子径

1つ目は、分析機器で有名な大塚電子様による異なるメーカー3社の缶コーヒーについての平均粒子径、粒径分布のデータです。

[引用:https://www.otsukael.jp/appcase/detail/caseid/22]

いずれの缶コーヒーにおいても、300 [nm]以上の「何か」が存在していることが分かります。

分子は大きいものでおよそ10 [nm]の大きさですので、300 [nm]以上の大きさの分子が存在するとは考えにくいです。

※1 [nm] = 1 [mm]の1000000分の1

…ということは、缶コーヒーの一部成分が粒子化していると考えることができます。

コーヒー牛乳の遠心分離

2つ目は、フジテレビで放送された「でんじろうのTHE実験」という番組のワンシーンです。

遠心分離機という装置を使って、コーヒー牛乳を分離させる実験をしています。

※遠心分離機は遠心力を使い個体と液体に分けたり、水と油など相溶性のない液体同士を分離させることができます。

[引用:https://www.fujitv.co.jp/denjirojikken/archive_22.html]

[引用:https://www.fujitv.co.jp/denjirojikken/archive_22.html]

その結果、コーヒー牛乳は乳脂肪分・水分・コーヒーに分離できることが分かりました。

コーヒー(成分)はある程度の重さがある粒子で存在していたからこそ、遠心力によって分離することができたのですね。

コーヒーは、食塩水・砂糖水のような”水溶液”とは違いがありそうです。

分散液を考える

分散液

コーヒーに関する他社様のデータ・資料から考えてみると、コーヒーはその成分が粒子の状態で水に分散し、不均一に存在することを意味しています。

このような状態は”水溶液”とは異なっており、”分散液”と呼ばれる状態に該当します。

※厳密には水に溶解しているコーヒー成分も存在するはずですが、粒子も共存しているのでここでは分散液に分類することにします。

コーヒー成分がどのような形で分散しているかはここでは関係なく、”分散液”でポイントとなるのは結果的に「不均一に存在している」ということです。

エマルションはどちらに該当するか?

これまで、“水溶液”と“分散液”の違いについて見てきました。

それでは、エマルションはどちらに該当するでしょうか?

エマルションはどちらか?

エマルションとは、お互いに混ざり合わない二種類の液体のうち、一方の液体が微粒子となって他方の液体中に分散しているものをいいました。

「お互いに混ざり合わない」ということは、不均一に存在することを意味します。

…ということは、エマルションは”分散液”に該当ことが分かります。

水溶液と分散液を見ると、どちらも同じ液体であり同じ物性のように思えます。

しかしながら、実際は両者の物性は異なります。

そのため、分散液をこれまでに学習してきた水溶液と同じように取り扱おうとすると、何らかの問題が生じる場合が出てくるので注意が必要です。

この「かくはんとは」のコンテンツでは、主に”分散液”に着目して考えていくことにします。

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