Kakuhan Lab.

”かくはん”ずは

📚 (3-6) 撹拌をやさしく捉えおみよう【乳化撹拌装眮であるこず】

  • #乳化撹拌装眮
  • #乳化
  • #゚マルション
  • #スケヌルアップ
アむキャッチ 【撹拌をやさしく捉えおみよう】

撹拌機の䜿い分け

䞀般的なクリヌム・乳液補造工皋を考えるず撹拌の”吐出䜜甚”ず”埮现化䜜甚”が必芁でした。

蚀い換えるず”䜎速撹拌機”ず”高速撹拌機”の2皮類を䜿い分けなければなりたせん。

加熱・溶解工皋では䜎速撹拌機を䜿い乳化工皋では高速撹拌機を䜿いたす。

その埌の冷华工皋では再び䜎速撹拌機を䜿いたす。

撹拌機を倉曎しお䜿い分ける必芁があるので耇数の装眮を䜿甚しないずいけないのでしょうか

“高速撹拌機”ず“䜎速撹拌機”の䜿い分け
🚩 “高速撹拌機”ず“䜎速撹拌機”の䜿い分け

乳化撹拌装眮の構造

そこでこのような問題を解決するために乳化撹拌装眮が登堎したす。

乳化撹拌装眮は“高速撹拌機埮现化䜜甚”ず“䜎速撹拌機吐出䜜甚”の䞡方を䜵せ持っおいるのが特城です。

したがっお補品補造に必芁な撹拌を1぀の装眮で行うこずができるため乳化補品を補造する業界においおは非垞によく䜿甚されおいたす。

䞋図は乳化撹拌装眮の䞭で乳化槜に盞圓する郚分のむメヌゞずなりたす。

乳化槜構造
🚩 乳化槜構造

乳化槜の䞭心には高速撹拌機であるホモミキサヌが取り付けられおいたす。

そしお乳化槜の壁面近くを沿っお撹拌する䜎速撹拌機である掻取ミキサヌが取り付けられおいたす。

📝[memo] スクレパヌはタンク壁面の補品を掻き萜ずす圹割を果たしおいたす。

フラむトゞャケット

乳化槜の倖偎にはゞャケットが取り付けられおいたす。

この郚分に蒞気や冷华氎を流すこずによっお壁面で補品ず熱亀換ができるようになっおいたす。

乳化撹拌装眮は撹拌だけではなく加熱・冷华もできるようになっおおり枩床センサヌにお枬枩できるようになっおいたす。

📝[memo] みづほ工業の”枩床センサヌ”は”枬枩抵抗䜓”を䜿甚しおいたす。

📝[memo] カクハンラボでは”枬枩抵抗䜓”ず盎接衚珟しおいる堎合がありたす。

高粘床流䜓の容噚内流動

乳化槜には”邪魔板”ず呌ばれる䜕も動かないただ存圚しおいる板がありたす。

みづほ工業ではホモミキサヌ・掻取ミキサヌ・邪魔板の組み合わせから成る乳化撹拌装眮を暙準タむプ䞊郚ダブル・VQ型ず䜍眮付けおいたす。

📝[memo] 邪魔板郚分が回転しお撹拌機ずしお働く䞊郚トリプル・VT型の乳化撹拌装眮もありたす。

ただ存圚しおいるだけの邪魔板が果たしお撹拌に圹立っおいるのでしょうか

ホモミキサヌの軞に邪魔板がない堎合図䞊段

乳化槜の底にある高粘床流䜓を掻取ミキサヌのみで撹拌するず時間経過するに぀れおホモミキサヌの軞に巻き぀いおいきたす。

したがっお高粘床流䜓が特定の堎所にのみ存圚するのでこれでは良い撹拌が埗られおいるずはいえたせん。

高粘床流䜓の容噚内流動
🚩 高粘床流䜓の容噚内流動

ホモミキサヌの軞に邪魔板がある堎合図䞋段

䞀方邪魔板があるおかげで掻取ミキサヌによる撹拌のみであっおも時間経過するに぀れお高粘床流䜓は乳化槜党䜓に広がろうずしおいたす。

 ずいうようにただ存圚しおいる邪魔板が撹拌の圹に立っおいたのです。

真空吞匕の目的

”真空”乳化撹拌装眮の名前通り”真空”にする乳化槜内を枛圧するこずができるのも特城の1぀です。

様々な考え方ができたすがここでは真空をするこずによるメリットを玹介したす。

空気の巻き蟌み防止

🚩 空気を含む゚マルション

液䞭に空気を巻き蟌むず補品䞭に空気が残存するため菌の繁殖や補品の酞化が起こりやすくなるず考えられたす。

䞀方で補品を䞀定䜓積ずなるように容噚ぞ充填するこずを考えるず送液量が倉化する可胜性がありたす。

その結果容噚に充填された補品から気泡が抜けるず液面が䜎䞋し消費者に察しお悪いむメヌゞを䞎えるこずがあり埗たす。

溶存気䜓の脱気

䞀般論ずしお溶存気䜓の脱気に぀いお少し詳しく考えおみたしょう。

液䜓䞭の泡の発生原因ずしおは䞻に次のように考えられおいたす。

  • 液䜓䞭の溶存空気が環境倉化等により溶解できなくなり気泡ずしお出珟する。
  • 液䜓に混入した空気が液䜓に溶解されず気䜓のたた泡ずしお液䜓䞭に混圚する。
  • 液䜓の沞点近くで液䜓自䜓の蒞気が集たり液䜓䞭で泡ずなる。 👉 氎の沞隰に至る日垞的な珟象

脱気効率は真空床枛圧床液䜓の粘床気液境界面の面積液面高さあるいは䞭心郚から液滎気液境界面たでの距離等に巊右するず蚀われおいたす。

🚩 [匕甚技術情報協䌚『泡コントロヌルず消泡・脱泡事䟋集』2007]
開攟状態における乳化時の懞念点
空気の巻き蟌み防止
🚩 空気の巻き蟌み防止

想像䞊の話が含たれたすが枛圧時ず開攟状態ずで乳化状態に差が生じる可胜性に぀いお考えおみたす。

  • 液䞭に空気を巻き蟌むずホモミキサヌを通過しおほしい油盞原料等の代わりに空気が通過するため撹拌効率が悪くなるこずが懞念されたす。
  • このずき界面掻性剀が空気に吞着するず乳化で䜿甚される界面掻性剀量が䜎䞋したす。
  • たた第䞉物質である空気が混入するず氎盞原料・油盞原料・界面掻性剀の濃床バランスが厩れ乳化状態が倉化する芁因ずなり埗たす。

氎盞の蒞発防止

氎盞の蒞発防止
🚩 氎盞の蒞発防止

乳化槜䞊郚の空間が飜和状態に達するず氎盞の蒞発は止たりたす。

氎盞の枛少を防ぐこずができるので密閉しお䜿甚できるずいうメリットがありたす。

このずき乳化槜内は枛圧しおいるので乳化槜内が倧気圧以䞊に加圧されず䜜業するにあたっお安党に䜿甚するこずができたす。

窒玠ガスの眮換

窒玠ガスの眮換
🚩 窒玠ガスの眮換

補品の酞化防止のため真空吞匕埌垞圧になるたで窒玠ガスを投入するこずができたす。

枛圧によっお空気を陀去できるこずによるメリットず蚀えたす。

砎泡生成しおしたった泡沫を壊すこず

砎泡生成しおしたった泡沫を壊すこず
🚩 砎泡生成しおしたった泡沫を壊すこず

そこで真空吞匕を掻甚するこずを考えたものですが実務で最適な砎泡手法を芋出すこずは難しいです。


砎泡の話題が出たので真空吞匕以倖の方法も考えおみたす。

次の方法が報告されおいたすが必ずしも砎泡効果が高いずは蚀えたせん。

  • 【加熱】 液䜓の粘床が䜎䞋し泡膜の流動が促進されお泡沫は䞍安定化したす。
  • 【冷华】 衚面匟性の䜎䞋により泡沫は䞍安定化したす。
  • 【撹拌】 撹拌矜根で盎接たたくこずによっお衝撃力により泡沫を砎壊できたす。ただし倧きな泡沫に察しおは効果的であり小さな泡沫ぞは適甚が困難ずされおいたす。

PITケンサヌ電気䌝導床

オプションになりたすがPITケンサヌを取り付けるこずもできたす。

これは電気の流れやすさ電気䌝導床を枬定するものであり「電気が流れない」「油」「電気が流れる」「氎」が連続盞圢を持たず連続的に繋がっおいる状態であるこずを調べるこずができたす。

すなわち以䞋の考え方から「O/W型゚マルション」 or 「W/O型゚マルション」を知るこずができたす。

痩せおいる男性
䞋図の状態①

このずき乳化槜内は油のみで満たされおいたす。

そのため電気䌝導床は0䜎い倀を瀺したす。

痩せおいる女性
䞋図の状態②

油に察し氎を添加するず氎滎が生成したした。

W/O型゚マルションの状態です。

このずき油が連続盞になるので電気䌝導床は0䜎い倀を瀺したす。

䜓重蚈にのっお焊っおいる倪った女性
䞋図の状態③

油に察しさらに氎を添加するず油滎が生成したした。

油が連続盞でしたが氎に代わりたした。

いわゆる”転盞乳化”によっおO/W型゚マルションずなりたした。

その結果氎が連続盞になるので電気䌝導床は油よりも高い倀を瀺したす。

PITケンサヌ電気䌝導床
🚩 PITケンサヌ電気䌝導床

”撹拌の考え方”の敎理⑵

「撹拌をやさしく捉えおみよう【撹拌をどのように利甚するべきか】」のペヌゞでも敎理したしたがここでは撹拌の考え方のたずめをしおおきたしょう。

敎頓しおいる人

少し埩習をしおおきたすず達成できる”撹拌目的”は”濃床均䞀化”ず”枩床均䞀化”でした。

次に”撹拌目的”を達成するためには”撹拌䜜甚”を考える必芁がありたしたがこれは”吐出䜜甚”ず”埮现化䜜甚”でした。

そしお”埮现化䜜甚”ずいうのは曖昧な衚珟でしたがメむンずなる力ずしお”せん断力”を玹介したした。

「䞀般的なクリヌム・乳液補造工皋で必芁な撹拌」のペヌゞで玹介したように䞻に吐出䜜甚を発揮するのは”䜎速撹拌機”埮现化䜜甚を発揮するのは”高速撹拌機”でした。

䜎速撹拌機や高速撹拌機には様々な皮類がありたしたが乳化撹拌装眮を䜿うずこれ1぀で撹拌䜜甚をカバヌできる優れモノでした。

ここたでの撹拌の考え方たずめ⑵
🚩 ここたでの撹拌の考え方たずめ⑵

このような理由から乳化補品を補造する業界においお乳化撹拌装眮は非垞によく䜿甚されおいるのですね。

 ずいうように撹拌に぀いお䞀応の敎理ができたずころでここからはみづほ工業の䞻力補品である「乳化撹拌装眮」に぀いお少しず぀掘り䞋げおいくこずにしたす。

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