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📚 (3-7) 撹拌をやさしく捉えてみよう【乳化撹拌装置の主な型式】

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アイキャッチ 【撹拌をやさしく捉えてみよう】

“高速撹拌機”と“低速撹拌機”の組み合わせ

「撹拌をやさしく捉えてみよう【乳化撹拌装置であること】」のページで紹介したしたように、乳化撹拌装置は、”高速撹拌機(微細化作用)”と”低速撹拌機(吐出作用)”の両方を併せ持っているのが特徴です。

すると、組み合わさった高速撹拌機と低速撹拌機の数によって、様々な乳化撹拌装置のパターンが考えられます。

みづほ工業では、これを型式として下図のように分類しています。

“高速撹拌機”と“低速撹拌機”の組合せ

乳化撹拌装置以外の撹拌装置も含まれていますが、ここでは、型式とその特徴について紹介します。

主な乳化撹拌装置の型式(撹拌方式)

乳化撹拌装置の型式は、高速撹拌機と低速撹拌機の組み合わせ(撹拌方式)によって決まってきます。

ここでは、代表的な乳化撹拌装置(練合装置)における撹拌方式について掘り下げていきます。

上部ダブル (VQ)

上部ダブルVQ
  • 高速撹拌機×1(ホモミキサー)
  • 低速撹拌機×1(掻取ミキサー)

みづほ工業における標準的な乳化撹拌装置です。

「撹拌をやさしく捉えてみよう【一般的なクリーム・乳液製造工程で必要な撹拌】」のページで紹介したようなエマルション製品は、本装置で製造するのが一般的です。

上部トリプル (VT)

上部トリプルVT
  • 高速撹拌機×1(ホモミキサー)
  • 低速撹拌機×2(掻取ミキサー・パドルミキサー)

上部ダブル (VQ)で使用していた邪魔板が、パドルミキサーとして撹拌できるようになった乳化撹拌装置です。

低速撹拌機を2つ用いて、高粘度のエマルション製品を強制的に流動させます。

上部独立3軸 (VⅢ)

上部独立3軸VⅢ
  • 高速撹拌機×2(ホモミキサー・ディスパーミキサー)
  • 低速撹拌機×1(アンカーミキサー)

上部ダブル (VQ)で使用していた掻取ミキサーが、シンプルな構造のアンカーミキサーに置き換わった乳化撹拌装置です。

洗浄性を考えると、低粘度のエマルション製品や粉体が分散しても流動性があるサスペンション製品に適しています。

上下トリプル (VTU)

上下トリプルVTU
  • 高速撹拌機×1(ホモミキサー)
  • 低速撹拌機×2(掻取ミキサー・パドルミキサー)

上部トリプル (VT)で使用していたホモミキサーが、乳化槽底に取り付けられている乳化撹拌装置です。

製品が少量であっても撹拌することができます。

上部シングル (VS)

上部シングルVS
  • 高速撹拌機×0
  • 低速撹拌機×1(アンカーミキサー)

ホモミキサーが取り付けられていないので、溶解・混合の目的で使用される撹拌装置です。

アンカーミキサーがシンプルな構造であるため、低粘度製品の製造に適しています。

上部ダブル (VP)

上部ダブルVP
  • 高速撹拌機×0
  • 低速撹拌機×2(掻取ミキサー・パドルミキサー)

上部トリプル (VT)で使用していたホモミキサーがなくなり、低速撹拌機のみから構成される撹拌装置です。
高粘度製品に対する溶解や混合に使用されています。

上部2軸 (VK)/上部4軸 (VKD)

上部2軸VK, 上部4軸VKD
  • 高速撹拌機×0 or 2(ホモミキサー・ディスパーミキサー)
  • 低速撹拌機×2(フック型ブレード・枠型ブレード)

本装置は、練合装置と呼ばれるタイプになります。

乳化撹拌装置では扱うことができない高粘度製品の混練や分散に使用されています。

「撹拌をやさしく捉えてみよう【真空練合装置】」のページで、改めて説明することにします。

みづほ工業で使用する型式の意味

型式は数字およびアルファベットから構成されており、ハイフンで3つのグループに分けられています。

これらのグループを(1)~(3)とし、乳化撹拌装置を中心にそれぞれが何を表しているのかを説明します。

型式のグループ分け①

グループ(1)

タンク

● タンクの構造

  • ”V” 👉 密閉(真空)
  • ”C” 👉 簡易密閉
  • ”O” 👉 大気開放

● タンクの横転

  • ”無記号” 👉 横転あり
  • ”F” 👉 横転なし
電動ミキサー

● 撹拌装置における高速撹拌機と低速撹拌機の組み合わせ

  • ”Q” 👉 上部ダブル
  • ”T” 👉 上部トリプル
  • ”Ⅲ(Ⅱ)” 👉 上部独立3(2)軸
  • ”U” 👉 上下トリプル
  • ”S” 👉 上部シングル
  • ”P” 👉 上部シングル
  • ”K” 👉 上部2軸
  • ”KD” 👉 上部4軸

● 撹拌装置の用途

  • ”無記号(先頭)” 👉 生産用
  • ”P” 👉 試験用(研究用)
ミキサー車

● 撹拌装置の分類

  • ”無記号” 👉 乳化撹拌装置
  • ”無記号”(KまたはKDを含む) 👉 練合装置
  • ”D” 👉 溶解槽
  • ”DR” 👉 タンク横転式溶解槽
  • ”ST” 👉 ストレージタンク

グループ(2)

注射器

● 油圧シリンダーの本数

  • ”1” 👉 油圧シリンダー1本
  • ”2” 👉 油圧シリンダー2本
  • ”無記号” 👉 油圧シリンダーなし

グループ(3)

● タンク容量

  • ”数字” 👉 タンク容量

● その他

  • ”数字+UN” 👉 ユニット付き
  • ”数字+NR” 👉 正転・逆転の撹拌可

みづほ工業で使用する主な型式①

「VQ-1-150」という型式の装置

例えば、「VQ-1-150」という型式の装置について考えてみましょう。

グループ(1)

  • ”V” 👉 密閉(真空)
  • ”Q” 👉 上部ダブル
  • ”無記号” 👉 横転有り・生産用・乳化撹拌装置

したがって、この装置は生産用の乳化装置であることが分かります。

さらに、タンク=乳化槽内を減圧することができ、それを横転して製品を取り出すことができます。

そして、撹拌方式は上部ダブルであることが分かります。

グループ(2)

  • ”1” 👉 油圧シリンダー1本

したがって、乳化槽の蓋を油圧シリンダー1本で昇降する装置であることが分かります。

グループ(3)

  • ”150”   👉 乳化槽の容量150 [L]

したがって、この乳化撹拌装置の乳化槽の大きさは150 [L]であることが分かります。


VQ-1-150型の型式

その他撹拌装置の型式

その他撹拌装置については、型式による表現の仕方が乳化撹拌装置と異なります。

ここでは、表を載せるだけに留めたいと思います。

みづほ工業で使用する主な型式②
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