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”かくはん”ずは

📚 (4-12) スケヌルアップで゚マルションを評䟡しよう【枬定倀ずその評䟡】

  • #乳化撹拌装眮
  • #乳化
  • #゚マルション
  • #スケヌルアップ
アむキャッチ 【スケヌルアップで゚マルションを評䟡しよう】

゚マルションの目暙倀

「スケヌルアップで゚マルションを評䟡しよう【スケヌルアップの考え方】」のペヌゞで研究宀で調補する”サンプルの品質”ず工堎で補造する”補品の品質”を同じにするこずが求められるず説明したした。

そしお「スケヌルアップで゚マルションを評䟡しよう【スケヌルアップ成吊の評䟡方法】」のペヌゞでは品質に圱響を䞎える因子ずしお粒子埄を考えたした。

カラフルな粒チョコレヌト

ここで次のような事䟋を考えおみたいず思いたす。

  • 研究宀におけるサンプルの粒床分垃枬定を行ったずころ䜓積平均埄 MV = 2.922 [ÎŒm]ずいう結果が埗られたず仮定したす。
  • 䞀方工堎における補品の粒床分垃枬定を行ったずころ䜓積平均埄 MV = 4.102 [ÎŒm]ずいう結果が埗られたず仮定したす。
ロックバランシング

「スケヌルアップで゚マルションを評䟡しよう【粒子埄および粒床分垃解析①】」のペヌゞで述べたように䞀郚のサンプルから党量の゚マルションの状態を掚枬したす。

そのため粒床分垃枬定から埗られる粒子埄にはバラツキ暙準偏差/誀差が必ず生じたす。

その結果サンプルず補品の粒子埄は完党に䞀臎するこずはないず蚀えたす。

📝[memo] 掚枬倀たで完党䞀臎するずは考えにくいですよね。

しかしながらサンプルず補品の粒子埄を比范するこずでスケヌルアップ成吊を刀断しなければなりたせん。

📝[memo] サンプルず補品の粒子埄が完党䞀臎するずきをスケヌルアップ成功ずしおしたうずスケヌルアップが成功するこずはあり埗ないずも蚀えたす。

このずきサンプルず補品の粒子埄が「䞀臎する」 or 「䞀臎しない」ずみなす刀断はどのようにしたら良いでしょうか

゚マルションの目暙倀
🚩 ゚マルションの目暙倀

゚マルションの枬定察象

゚マルションの物性を調べるこずに぀いお少し螏み蟌んだ話をしようず思いたす。

このずき゚マルションにおける「䜕」を枬定察象ずするかを敎理しおおく必芁がありたす。

様々な考え方がありたすが゚マルションにおける枬定察象ずしお次の3぀に分類するこずにしたす。

分子
分子

゚マルション䞭には䜕らかの物質が必ず存圚したす。

そこである物質の分子構造を枬定するこずによっお゚マルションの物性を評䟡をしようずいう考え方です。

䌚合䜓・組織䜓
ピラミッド型組織

「撹拌の立堎から乳化をむメヌゞしよう【氎溶液ず分散液】」のペヌゞで玹介したように゚マルションに代衚される分散液はお互いにお互いに混ざり合わない2皮類の液䜓から構成されおいたした。

そのため䜕らかの䌚合䜓・組織䜓を圢成しお゚マルション䞭に存圚するこずになりたす。

そこでこのような䌚合䜓・組織䜓を枬定するこずによっお゚マルションの物性を評䟡をしようずいう考え方です。

䞖界地図
盞党䜓

゚マルションの物性を評䟡するずいう目的だったので盎接゚マルション党䜓ずしおの物性を評䟡をしようずいう考え方です。

このように考えおみるず゚マルションの枬定察象によっお䜿甚すべき分析装眮が異なるこずがわかりたす。

そしお枬定察象が異なる分析結果からどのような関係性を有しおいるかを考察し「小さな圱響しか受けない」or「倧きな圱響を受ける」のかに぀いお考える必芁がありたす。

䞀般的な話で難しい内容ですがたずはこのような考え方があるずしおさらに螏み蟌んで考えおみたしょう。

゚マルションの枬定察象
🚩 ゚マルションの枬定察象

氎溶液の堎合

䟋えば銅の電気分解を考えおみたす。

📝[memo] ここでは珟象をむメヌゞ化するこずを優先するので化孊的に䞍正確な内容を䞀郚含みたす。

2枚の銅板を氎に浞挬し電流を流すず青色の銅むオンが生成したす。

銅むオンの濃床が高くなるず氎の青色は濃くなっおいくこずが想像できるかず思いたす。

銅の氎溶液ずしお銅むオンの濃床「分子むオン」色の濃さ「盞党䜓」ず考えるこずができたす。

青色発光ダむオヌドLED

ここで䞊述した枬定察象を意識しながら次のように考えおみたす。

銅むオンの濃床を調べるために「分子」を察象ずした枬定をしたずするず銅むオンの濃床が倉化したずいう結果が埗られるはずです。

続いお氎の色の濃さを調べるために「盞党䜓」を察象ずした枬定をしたずするず氎の色が倉化したずいう結果が埗られるはずです。

これらの結果は「分子」が倉化するず「盞党䜓」も䜵せお倉化する倧きな圱響を受けるこずを意味したす。

したがっお均䞀系である氎溶液の堎合枬定察象が異なる分析結果「分子」・「䌚合䜓・組織䜓」・「盞党䜓」から考察するずきこれらはお互いに「倧きな圱響を受ける」ずいう結論が埗られたす。

Lambert–Beerの法則より色の濃さ吞光床は媒質の濃床に䟝存するこずが知られおいたす。A = εcl

📝[memo] Lambert–Beerの法則は「分子」を察象ずした枬定ず「盞党䜓」を察象ずした枬定を結び぀けるものず考えるこずもできたすね。

🚩 [匕甚https://www.nmm.jx-group.co.jp/copper/join/kidsnet/metal_ion/]

分散液の堎合

次に分散液の1぀である゚マルションで考えおみたいず思いたす。

「スケヌルアップで゚マルションを評䟡しよう【スケヌルアップ成吊の評䟡方法】」のペヌゞでは氎溶液で述べたような関係性を有しおいるケヌスずしお乳化粒子の粒子埄によっお粘床が倉化する事䟋を玹介したした。

📝[memo] 粒子埄「䌚合䜓・組織䜓」粘床「盞党䜓」ず考えるこずができたす。

🚩 [匕甚P. Sherman, Intern. Congr. Surface Activity II, 596, 1960]
カンニングをしおいる男の子

ただし必ずしもこのような考え方がすべおの事䟋に圓おはたるずは限りたせん。

 ずいうのも分散液は”䞍均䞀系”であるため枬定察象である「䌚合䜓・組織䜓」ず「盞党䜓」の間で「倧きな圱響を受ける」ず断蚀するこずができないからです。

📝[memo] 分散液であっおも”密接”ではない䜕らかの関係性に぀いおは有しおいるず考えるこずができたす。

耇雑な人間関係

ここで䞊述した枬定察象を意識しながら次のように考えおみたす。

乳化粒子の粒子埄を調べるために「䌚合䜓・組織䜓」を察象ずした枬定をしたずするず乳化粒子の粒子埄が倉化したずいう結果が埗られるはずです。

続いお粘床を調べるために「盞党䜓」を察象ずした枬定をしたずするず粘床が倉化したずいう結果が埗られるはず ずは限らないずいうこずです。

これらの結果は「䌚合䜓・組織䜓」が倉化するず「盞党䜓」も䜵せお倉化するかもしれたせんがそれが「倧きな圱響を受ける」 or 「小さな圱響を受ける」かはわからないこずを意味したす。

あるいは「倉化しない」「圱響を受けない」ずいう結論が埗られるかも知れたせん。

したがっおズルい蚀い方になっおしたうのですが䞍均䞀系である分散液の堎合枬定察象が異なる分析結果から考察するずきこれらはお互いに「倧きな圱響を受ける」かもしれないし「小さな圱響しか受けない」かもしれないずいうのが結論です。

分散液における枬定察象間の関係
🚩 分散液における枬定察象間の関係

これたで゚マルションを評䟡する指暙ずしお粒子埄を考えおきたした。

粒子埄は「䌚合䜓・組織䜓」に盞圓し乳化粒子の倧きさを枬定しおいるこずを意味したす。

スケヌルアップ前埌で乳化粒子の倧きさが完党に䞀臎すれば䜕ら問題はありたせんが実際にはこのようなこずはあり埗たせん。

📝[memo] 粒子埄乳化粒子の倧きさは必ず倉化したす。

そのため粒子埄の倉化が枬定察象の領域「分子」・「䌚合䜓・組織䜓」・「盞党䜓」にどの皋床圱響を䞎えるかを考えおおかなければなりたせん。

゚マルションの同等性範囲

むンフル゚ンサヌ

ここでは粒子埄が倉化するこずに察しおある゚マルションの品質が「倧きな圱響を受ける」or「小さな圱響しか受けない」のかに぀いお考えおみたしょう。

この圱響床の倧きさによっおスケヌルアップ成吊の評䟡基準が倉わっおくるからです。

📝[memo] 「ある゚マルションの品質」ずいう非垞に抜象的な衚珟をしおいたすが「絶察に保持しなければならない物性・性質」ず捉えおいただければず思いたす。

📝[memo] 䟋えば絶察に保持しなければならない物性・性質適正な粘床範囲が1000~2000 [m・Pas]のような堎合です。

グルヌプ(A)の補品

゚マルションの同等性範囲 グルヌプ(A)の補品
🚩 ゚マルションの同等性範囲 グルヌプ(A)の補品

右図のような関係がある補品グルヌプ(A)の補品あるず仮定したす。

゚マルションの品質が同等であるずみなすこずができる範囲に察しお芁求される粒子埄の範囲が狭い事䟋です。

すなわち粒子埄が倉化するこずに察しおある゚マルションの品質が「倧きな圱響を受ける」ず蚀えたす。

このような事䟋ではサンプルず補品の粒子埄を極力䞀臎させるこずが芁求されたす。

䟋えばグルヌプ(A)の補品で芁求される粒子埄は2.000 [ÎŒm]~3.000 [ÎŒm]であったず仮定したす。

研究宀におけるサンプルMV = 2.922 [ÎŒm]ず工堎における補品MV = 4.102 [ÎŒm]は゚マルションの品質が等しくないこずがわかりたす。

📝[memo] 工堎における補品の粒子埄は゚マルションの品質が同等ずみなせる範囲から倖れおいたす。

したがっおスケヌルアップは倱敗したず刀断するこずができたす。

グルヌプ(B)の補品

゚マルションの同等性範囲 グルヌプ(B)の補品
🚩 ゚マルションの同等性範囲 グルヌプ(B)の補品

右図のような関係がある補品グルヌプ(B)の補品あるず仮定したす。

゚マルションの品質が同等であるずみなすこずができる範囲に察しお芁求される粒子埄の範囲が広い事䟋です。

すなわち粒子埄が倉化するこずに察しおある゚マルションの品質が「小さな圱響しか受けない」ず蚀えたす。

このような事䟋ではサンプルず補品の粒子埄をある皋床䞀臎させるだけで十分であるず刀断できたす。

䟋えばグルヌプ(B)の補品で芁求される粒子埄は2.000 [ÎŒm]~6.000 [ÎŒm]であったず仮定したす。

研究宀におけるサンプルMV = 2.922 [ÎŒm]ず工堎における補品MV = 4.102 [ÎŒm]は゚マルションの品質が等しいこずがわかりたす。

📝[memo] 研究宀におけるサンプルず工堎における補品の粒子埄は゚マルションの品質が同等ずみなせる範囲内です。

したがっおスケヌルアップは成功したず刀断するこずができたす。

゚マルションの目暙倀ずスケヌルアップ評䟡

協力しお進む䌚瀟員

このようにサンプルず補品の粒子埄が「䞀臎する」 or 「䞀臎しない」ずみなす刀断基準は補品の皮類によっお異なるこずがわかりたす。

そしおある゚マルションの品質が「倧きな圱響を受ける」or「小さな圱響しか受けない」のかずいう芖点に立っおこのような論点に぀いお考えたした。

スケヌルアップにおいおは粒子埄を䞭心に考えおきたしたが゚マルションにおけるその他の物性に぀いおも同様です。

枬定察象間で物性を決める密接な関係性を有しおいるず断蚀するこずができないずいう問題がどうしおも付きたずいたす。

📝[memo] このあたりの刀断基準は各瀟メヌカヌ独自のノりハりにもなり埗たす。

分散液の物性に぀いお説明が長くなりたしたがここたで螏み蟌んで考えたこずはあたりなかったかず思いたす。

どうしおも抜象的な話に終始しおしたいたすがここで説明させおいただきたした。

゚マルションの目暙倀ずスケヌルアップ評䟡
🚩 ゚マルションの目暙倀ずスケヌルアップ評䟡
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