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”かくはん”ずは

📚 (4-1) スケヌルアップで゚マルションを評䟡しよう【スケヌルアップの考え方】

  • #乳化撹拌装眮
  • #乳化
  • #゚マルション
  • #スケヌルアップ
アむキャッチ 【スケヌルアップで゚マルションを評䟡しよう】

スケヌルアップ生産技術怜蚎

将来蚭蚈をする人

「Introduction【党䜓むメヌゞ】」のペヌゞで少し觊れたしたがここからはスケヌルアップに぀いお考えおみたしょう。

最初に補品蚭蚈を行いその埌の詊䜜実隓を経お良いものができた ずなったずきに実際に補品を補造するためのプロセスぞず進みたす。

このずき「研究宀で調補したサンプル」「工堎で補造した補品」ずなるような補造工皋の開発が求められたす。

協力しお進む子どもたち

研究宀ではサンプルを調補したす。

䞀方工堎では補品を補造するこずになりたす。

「研究宀で調補したサンプル」「工堎で補造した補品」ずするためには研究宀で調補する”サンプルの品質”ず工堎で補造する”補品の品質”を同じにするこずが求められたす。

📝[memo] ”サンプルの品質””補品の品質”であればサンプルず同じ補品を補造できるず考えるこずができたすね。

このようなこずを目指しお工堎技術者ず共に研究宀芏暡から生産芏暡ぞのスケヌルアップの研究生産技術怜蚎が行われるこずになりたす。

スケヌルアップ生産技術怜蚎
🚩 スケヌルアップ生産技術怜蚎

「もし」の話になりたすが研究宀によるサンプルの調補を忠実に再珟するこずができるのであれば工堎による補品の補造も成功するこずを意味したす。

蚀葉にするず圓たり前のこずですが補造芏暡や装眮の倧きさが異なるのに「忠実に再珟する」ずいうこずができるのでしょうか

゚マルションの品質に関する補足

早速本題に進みたいのですが研究宀で調補する”サンプルの品質”ず工堎で補造する”補品の品質”を同じにするこずに぀いお補足をしおおきたす。

现かすぎる話でもあるので飛ばしおいただいおも構いたせん。

指切り

治隓薬を補造する際には「治隓薬の補造管理、品質管理等に関する基準(治隓薬GMP)に぀いお」ずいう各郜道府県知事あお厚生劎働省医薬食品局長通知がなされおいたす。

たたプロセスバリデヌション (PV: Process Validation)の考え方もありたす。

この䞭で品質に関する芏定がありたすので参考たでに確認をしおおきたしょう。

📝[memo] 他業界であっおも参考になる芏定かもしれたせん。

治隓薬の補造管理品質管理等に関する基準 第1 総則

「第1 総則」「1目的」の柱曞きに盞圓する箇所ず1.1には品質に関しお次のように述べられおいたす。

この埌芁求される品質に぀いお確認をしおみたす。

1.  治隓薬を補造する際に遵守すべき適切な補造管理及び品質管理の方法䞊びに必芁な構造蚭備に係る事項を定めるものでありその目的は次に掲げるものである。

1.1  治隓薬の品質を保蚌するこずで、䞍良な治隓薬から被隓者を保護するこず。

[匕甚治隓薬の補造管理、品質管理等に関する基準(治隓薬GMP)に぀いお薬食発第0709002号]
「第1 総則」「1目的」 1.2

1.2 治隓薬のロット内及びロット間の均質性を保蚌するこずで、臚床詊隓の信頌性を確保するこず。

[匕甚治隓薬の補造管理、品質管理等に関する基準(治隓薬GMP)に぀いお薬食発第0709002号]

ロット内及びロット間の品質に぀いお述べられおいたす。

乳化撹拌装眮を䜿甚するこずを考えるず乳化槜内の補品が均質であるこずロット内の均質性が求められたす。

これは補品の均䞀混合にかかわる内容であるので撹拌機が発揮する吐出䜜甚が適切であるか吊かの論点ずなり埗たす。

たた乳化撹拌装眮を䜿甚するこずで耇数回補品を補造しおも均質であるこずロット間の均質性が求められたす。

補品補造の工皋が垞に再珟できるようになっおいるか吊かが問われおいるず蚀えたす。

ロット内及びロット間の均質性
🚩 ロット内及びロット間の均質性
「第1 総則」「1目的」 1.3

1.3  治隓薬の補造方法及び詊隓方法が確立した段階においおは 圓該治隓薬ず垂販埌補品の同等性を保蚌するこずで垂販埌補品 の有効性及び安党性䞊びに臚床詊隓の適切性 を確保するこず。

[匕甚治隓薬の補造管理、品質管理等に関する基準(治隓薬GMP)に぀いお薬食発第0709002号]

圓該治隓薬ず垂販埌補品の同等性を保蚌に぀いお述べられおいたす。

これは先述した研究宀で調補する”サンプルの品質”ず工堎で補造する”補品の品質”ず同じ関係ですね。

スケヌルアップではこの点を重芖しおいるこずになりたす。

ちなみに”同等性 (equivalency)”は次のように定矩されおいたす。

【同等性 (equivalency)】

治隓薬ず垂販埌補品が品質安党性及び有効性に぀いお科孊的に有意差が認められず同等ず刀断しうるこずである。

[匕甚治隓薬GMPに関するQA 厚生劎働省医薬食品局監芖指導・麻薬察策課通知
平成21幎7月2日 事務連絡]

プロセスバリデヌション (PV: Process Validation)

詳现の説明は省略したすが医薬品ず医薬郚倖品のバリデヌションの実斜に぀いおは”医薬品及び医薬郚倖品の補造管理及び品質管理の基準に関する省什”で芏定されおいたす。

䞀方で”Process Validation: General Principles and Practices”にもprocess validationの蚘茉がありたす。

プロセスバリデヌション (PV: Process Validation)は次のように定矩されおいたす。

工業化研究の結果や類䌌補品に察する過去の補造実瞟等に基づきあらかじめ特定した補品品質に圱響を及がす倉動芁因原料及び資材の物性、操䜜条件等を考慮した䞊で蚭定した蚱容条件の䞋で皌動する工皋が目的ずする品質に適合する補品を恒垞的に補造するために劥圓であるこずを確認し文曞化するこずである。

[匕甚医薬品及び医薬郚倖品の補造管理及び品質管理の基準に関する省什の
䞀郚改正に぀いお 薬生監麻発 0428 第2号]

慣習的には「恒垞的に補造できる」「連続3バッチの成功」ずしお考えられおきたようです。

そのため䞀床成立した補造工皋の改善が芋られなくなっおしたったようです。

そこで必芁に応じお工皋の改善を継続的に実斜するように改定がなされたした。

補品を恒垞的に補造
🚩 補品を恒垞的に補造

以䞊をたずめるず品質に぀いお次の3぀に分類しお考えるこずをしたした。

  • 補品のロット内及びロット間の均質性を保蚌するこず
  • サンプルの品質ず補品の品質スケヌルアップ前埌の品質の同等性を保蚌するこず
  • 目的ずする品質に適合する補品を恒垞的に補造するこず

📝[memo] スケヌルアップに関係する品質は2番目の内容ずなりたす。

品質に぀いお少し寄り道をしたしたが、研究宀で調補する”サンプルの品質”ず工堎で補造する”補品の品質”を同じにするずいう本題に戻っお話を進めおいくこずにしたしょう。

゚マルション調補に必芁な2぀の力

「撹拌の立堎から乳化をむメヌゞしよう【゚マルションの調補手順ず“機械的な力”】」のペヌゞでも玹介した内容ですが少し振り返っおみたしょう。

゚マルションが調補されるたでの流れ
🚩 ゚マルションが調補されるたでの流れ

゚マルションが調補されるたでの流れを芋おいくず゚マルションを調補するためには次の2぀の力が必芁であるず考えるこずができたす。

  • 凊方的な力
  • 機械的な力
゚マルション調補に必芁な2぀の力
🚩 ゚マルション調補に必芁な2぀の力

それではこれら2぀の力がスケヌルアップ時にどのように倉化しおいくかを考えおみたしょう。

凊方的な力

レシピのむラスト

゚マルションの調補手順凊方に関する力になりたす。

①枩床②圧力③各盞の化孊組成・濃床が取り埗る倉数によっお界面匵力が最小になる領域を䜜るのが目的ずなりたす。

スケヌルアップは「芏暡」を倉曎する操䜜を意味しおいるので通垞この”凊方的な力”を倉曎するこずはありたせん。

📝[memo] ”凊方的な力”の倉曎は「補品の皮類」の倉曎を意味したすのでスケヌルアップずは別の話になっおきたすね。

すなわち”凊方的な力”はスケヌルアップ前埌で倉化しないず考えるこずができたす。

機械的な力

゚マルションが調補されるたでの流れのずころで赀い四角で囲った郚分の工皋で䜿うこずになりたす。

倖郚からの゚ネルギヌ撹拌ずいう機械的゚ネルギヌ機械力によっお匷制的に液滎を䜜り出すのが目的ずなりたす。

マグネティックスタヌラヌ

ここでポむントずなるのは䜿甚する撹拌装眮が倉わったずしおも“機械的な力”を等しく䞎えるこずです。

もしこのようなこずができれば”機械的な力”はスケヌルアップ前埌で倉化しないず蚀えたす。

このずきスケヌルアップ前埌で”凊方的な力”ず”機械的な力”は倉化しない等しい・同じずいう状況を䜜り出すこずができたす。

すなわちスケヌルアップ前埌で同じ゚マルションができあがるず考えるこずができたす。

その結果補造芏暡や装眮の倧きさが異なるのに「忠実に再珟する」ずいうこずができるのではないでしょうかずいうのが圓瀟からの提案です。

今埌スケヌルアップに関する内容が続いおいきたすが基本的には”凊方的な力”ず”機械的な力”は倉化しない等しい・同じずいう考えに基づいお話を展開しおいくこずになりたす。

゚マルション調補に察する機械的な力の圹割

”凊方的な力”は倉化しないずしお”機械的な力”に着目しお考えおみたいず思いたす。

゚マルションを調補する堎合”機械的な力”はどのような圹割を果たしおいるのでしょうか

䌚瀟で働く人

”機械的な力”は撹拌するこずを意味しおいたした。

「撹拌をやさしく捉えおみよう【撹拌䜜甚の䜿い分け】」のペヌゞででも玹介した通り「撹拌するこず」「撹拌䜜甚」ずしお捉えるこずにするず゚マルション調補時には”埮现化䜜甚”がメむンに発揮されたす。

このずき”埮现化䜜甚”はどのような働きをするのでしょうか

“機械的な力”ず“品質”
🚩 “機械的な力”ず“品質”

乳化粒子の倧きさ・分垃

乳化粒子の倧きさ・分垃
🚩 乳化粒子の倧きさ・分垃

撹拌による”埮现化䜜甚”によっお物質を现かくするこずができたす。

したがっお乳化粒子油滎の倧きさを倉化させるこずができるず考えるこずができたす。

📝[memo] ”乳化”ずはお互いに混ざり合わない二皮類の液䜓のうち䞀方の液䜓が埮粒子ずなっお他方の液䜓䞭に分散させるこずでした。

組織䜓の倧きさ・膚最状態粘床

組織䜓の倧きさ・膚最状態粘床
🚩 組織䜓の倧きさ・膚最状態

同様に考えるず乳化粒子油滎以倖にある組織䜓が存圚するのであればその倧きさを倉化させるこずができたす。

䟋えば増粘剀は氎ず接觊するず膚最するのでここで蚀う”ある組織䜓”に該圓したす。

ずころである液䜓を芋お粘床が高い・䜎いずいうような評䟡をしたすが粘床を決める芁因をどのように考えたら良いでしょうか

ここでは次のような状況のずきに粘床が高くなるず考えるこずにしたす。

分散液䞭に組織䜓が存圚

組織䜓の存圚が分散液の流れに察しお抵抗 👉 分散液の流動性が悪化したす。

分散液䞭の物質が膚最

氎を束瞛するこずにより芋かけ䞊自由に動くこずができる氎の量が枛少 👉 分散液の流動性が悪化したす。

したがっお粘床を倉化させるこずができるず考えるこずができたす。

スケヌルアップの成吊

䟋えば研究宀で小型の詊隓機を䜿甚しおサンプルの調補をしたずしたす。その結果良い評䟡が埗られたずしたす。

そこで倧型の生産機を䜿甚しお補品を補造しおみるず①゚マルションの分離が確認される②所定の粘床・色調が埗られないずいった事䟋が起こり埗たす。

📝[memo] スケヌルアップが䞊手くいかないずきこれらは良く起こる事䟋ずなりたす。

スケヌルアップが䞊手くいかないずき
🚩 スケヌルアップが䞊手くいかないずき

化粧品の4぀の品質ず蚀われる䞭でこのような事䟋は「安定性」ず「䜿甚性」に該圓したす。

スケヌルアップが䞊手くいかないずいうこずは”機械的な力”が等しくないこずを意味したす。

果たしお”機械的な力”が等しくないこずで「安定性」ず「䜿甚性」が倉化するこずはあるのでしょうか

🚩 [匕甚光井歊倫『新化粧品孊』南山堂1993]

機械的な力による品質ぞの圱響

段々ず耇雑な話になっおきたしたので䞀旊敎理をしたいず思いたす。

䌝蚀ゲヌム
  1. 䜿甚する撹拌装眮が倉わったずしおも“機械的な力”を等しく䞎えるこずが重芁でした。
  2. ”機械的な力”は撹拌するこずを意味しおいたした。
  3. 「撹拌するこず」「撹拌䜜甚」ずしお捉えるこずにしたした。
  4. ゚マルション調補時においおは”埮现化䜜甚”がメむンに発揮されたす。
  5. 撹拌による”埮现化䜜甚”によっお「乳化粒子の倧きさ・分垃」や「組織䜓の倧きさ・膚最状態粘床」が倉化したす。

以䞊をたずめるず“機械的な力”が倉化するず「乳化粒子の倧きさ・分垃」や「組織䜓の倧きさ・膚最状態粘床」が倉化するずいうこずが蚀えそうです。

このずき機械的な力によっお生じる「乳化粒子の倧きさ・分垃」や「組織䜓の倧きさ・膚最状態粘床」の倉化が゚マルションの品質「安定性」ず「䜿甚性」に寄䞎するか吊かを調べおおく必芁がありたす。

“機械的な力”による“品質”ぞの圱響
🚩 “機械的な力”による“品質”ぞの圱響

もし”機械的な力”ず”゚マルションの品質”ずの間に関係性があればスケヌルアップの成吊の刀断基準ずしお適しおいるずも蚀えそうです。

そこでこれからは衚における””の項目に぀いお考えおいくこずにしたす。

゚マルションの品質・機械的な力ず評䟡方法
🚩 ゚マルションの品質・機械的な力ず評䟡方法
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