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”かくはん”ずは

📚 (5-14) スケヌルアップ理論を考えおみよう ヌ 乳化線【䞀般的な撹拌機によるスケヌルアップ蚈算匏】

  • #乳化撹拌装眮
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アむキャッチ【スケヌルアップ理論を考えおみようヌ乳化線】

”スケヌルアップの考え方”の敎理⑷

敎頓しおいる人

「スケヌルアップ理論を考えおみようヌ乳化線【呚先端速床䞀定時における撹拌䜜甚の倉化】」のペヌゞで述べた内容ず同じですが䞀旊敎理をしおおきたしょう。

これたでは高速撹拌機ホモミキサヌを䞭心に考えおきたした。

今床は䜎速撹拌機パドルミキサヌに぀いお着目しスケヌルアップを考えおいきたす。

ただ「Introduction【党䜓むメヌゞ】」のペヌゞで述べたように䜎速撹拌機は䞖の䞭で蚀うずころの䞀般的な撹拌機に該圓したす。

そのため完ぺきずは蚀えたせんがある皋床理論䜓系が出来䞊がっおいたす。

圓瀟は高速撹拌機を䞻力ずするメヌカヌであり䜎速撹拌機に関する理論は専門倖のずころがありたす。

厳密な理解や詳现な内容は関連する専門曞ぞ譲るずしおここではむメヌゞや考え方を玹介したす。

”スケヌルアップの考え方”の敎理⑷
🚩 ”スケヌルアップの考え方”の敎理⑷

“液䜓”“液䜓”の䞀般的な撹拌パドルミキサヌの堎合

「スケヌルアップ理論を考えおみよう ヌ 乳化線【ホモミキサヌによる埮现化䜜甚ずスケヌルアップ蚈算匏】」のペヌゞで玹介したホモミキサヌの堎合ず䌌おいたすが圓然異なる点がありたす。

それは液滎の埮现化ず合䞀を繰り返すこずです。

📝[memo] 乳化を想定した堎合は液滎の埮现化が起こり小さくなった液滎はそのたた存圚するず考えたした。

そこでスケヌルアップをするにあたっお次の2぀の条件が成り立぀ような蚭定をするこずを考えたす。

袋に入ったスヌパヌボヌル

① 平均液滎埄が等しくなるようにする。

詊隓機で䜿甚するパドルミキサヌず生産機で䜿甚するパドルミキサヌによっお生成する液滎の倧きさがどちらも等しくなるように蚭定したす。

液滎の埮现化ず合䞀を繰り返すためこのずきの液滎の平均液滎埄を等しくするこずを考えたす。

移動販売しおいるパン屋の車

② 物質移動速床が等しくなるようにする。

詊隓機で䜿甚するパドルミキサヌず生産機で䜿甚するパドルミキサヌによっお生成する物質移動速床がどちらも等しくなるように蚭定したす。

合䞀した液滎が再び埮现化されるような液滎の移動速床を等しくするこずを考えたす。

䞊述した2぀の条件をたずめるず①倧きさが等しい液滎が②同じ速床で移動するず同じ混合状態が埗られるず考えるこずができたす。

その結果スケヌルアップ前埌研究宀ず工堎における”機械的な力”を等しくするこずができるだろうずいうのが䞀般的な撹拌機におけるスケヌルアップの基本的な考え方になりたす。

“液䜓”“液䜓”の䞀般的な撹拌の堎合
🚩 “液䜓”“液䜓”の䞀般的な撹拌の堎合

条件①平均液滎埄が等しくなるようにする

厳密な理解や詳现な内容は関連する専門曞ぞず譲るずしお平均液滎埄に関しお䞋匏が明らかになっおいるずしたす。

そしお面積䜓積平均粒子埄d32をパドルミキサヌの盎埄矜根埄Dで割ったものを平均液滎埄d32/Dずみなしスケヌルアップ前埌でこれを等しくなるようにするこずを考えたす。

混合を制埡するための蚈算匏条件①
🚩 混合を制埡するための蚈算匏条件①

面積䜓積平均粒子埄d32ずは 

先に面積䜓積平均粒子埄d32に぀いお簡単に觊れおおきたす。

平均液滎埄を考える際面積䜓積平均粒子埄d32を採甚する理由は界面の圱響が倧きい衚面積に重きを眮くためず考えおいるようです。

次に面積䜓積平均粒子埄d32の導出をしおおきたす。

倉圢ロボ
総䜓積

Vp = Σ(4/3)π(d/2)3 = Σπd3/6

総衚面積

Ap = Σ4π(d/2)2 = Σπd2

総䜓積/総衚面積

Vp/Ap = (Σπd3/6)/Σπd2 = (1/6)・(Σd3/Σd2) = (1/6)・d32

⇔ d32 = 6Vp/Ap = 6(Σπd3)/(Σπd2)

撹拌りェヌバヌ数Weずは 

続いお撹拌りェヌバヌ数Weに぀いおも簡単に觊れおおきたす。

「撹拌りェヌバヌ数慣性力/衚面匵力」で定矩されるので撹拌機による埮现化䜜甚慣性力液滎が埮现化されないように耐える力衚面匵力ずむメヌゞするこずができたす。

したがっお撹拌りェヌバヌ数は撹拌による埮现な液滎生成のしやすさを瀺す指暙ず捉えるこずができそうです。

次に撹拌りェヌバヌ数Weの導出をしおおきたす。

ヘリりムガスで声を倉える男の子
慣性力

Fi = ma = ρD3(dU/dt)

📝[memo] 運動方皋匏を想定しおいたす。力F = 物䜓の質量m × 加速床a

ここでU = dUdt = D/Uずするず

Fi = ρD3(dU/dt) = ρD3{U/(D/U)} = ρD2U2

📝[memo] 「時間距離長さ/速床」ずなるように長さを衚す単䜍である矜根埄Dを䜿甚しお時間を衚しおいたす。

衚面匵力絶察倀ずしおの力

Fs = γD

📝[memo] 「撹拌の立堎から乳化をむメヌゞしよう【界面自由゚ネルギヌの考え方】」のペヌゞで界面自由゚ネルギヌの匏を玹介したした。

📝[memo] 「力界面匵力衚面匵力×長さ」ずなるように長さを衚す単䜍である矜根埄Dを䜿甚しお時間を衚しおいたす。

撹拌りェヌバヌ数慣性力/衚面匵力

We = Fi/Fs = ρD2U2/γD = ρDU2/γ

ここでU = NDなので

We = ρDU2/γ = ρD(ND)2/γ = ρN2D3/γ

📝[memo] 定数項π/60を無芖しお呚先端速床Uを採甚しおいたす。

平均液滎埄d32/Dを決める因子

䞀぀のむダホンで音楜を聎くカップル

平均液滎埄d32/Dはパドルミキサヌの盎埄矜根埄D係数C’ずC”分散盞の䜓積分率Ί撹拌りェヌバヌ数Weによっお決たりたす。

凊方が倉わらないのであれば混合をするずきの分散液の物性はスケヌルに関係なく同じであるはずです。

したがっお係数C’ずC”分散盞の䜓積分率Ίは垞に䞀定でありスケヌルアップ前埌で倉化したせん。

グルヌプディスカッション

たた䜿甚するパドルミキサヌが決たっおいるのでパドルミキサヌの盎埄矜根埄Dは自然に決定する倀で定数です。

ずいうこずは平均液滎埄d32/Dがスケヌルアップ前埌で等しくなるようにするためには面積䜓積平均粒子埄d32が等しくなれば良いずいう結論が埗られたす。

📝[memo] 平均液滎埄d32/Dを考えるずきパドルミキサヌの盎埄矜根埄Dが䞀定であれば倉数である面積䜓積平均粒子埄d32だけを考えれば良いですよね。

すなわち「”条件①平均液滎埄が等しくなるようにする”ずいう考え方」「”条件①’面積䜓積平均粒子埄が等しくなるようにする”ずいう考え方」であるこずがわかりたす。

次に面積䜓積平均粒子埄d32がどのような匏の圢で衚珟できるかを確認しおみたしょう。

d32/D ∝ We–0.6 ⇔ d32 ∝ We–0.6D = (ρN2D3/γ)–0.6D = (ρ/γ)–0.6(N3D2)–0.4

ここで密床ρず界面匵力γはスケヌルアップ前埌で倉化したせん。

d32 ∝ (N3D2)–0.4

すなわち「”条件①’面積䜓積平均粒子埄が等しくなるようにする”ずいう考え方」「”条件①”N3D2が等しくなるようにする”ずいう考え方」であるこずがわかりたす。

d32が等しい
🚩 d32が等しい

条件②物質移動速床が等しくなるようにする

同じく厳密な理解や詳现な内容は関連する専門曞ぞ譲るずしお物質移動速床に関しお䞋匏が明らかになっおいるずしたす。

そしおスケヌルアップ前埌で物質移動速床を等しくなるようにするこずを考えたす。

混合を制埡するための蚈算匏条件②
🚩 混合を制埡するための蚈算匏条件②

物質移動速床dC/dtを決める因子

地産地消

物質移動速床dC/dtは係数k分散盞の䜓積分率Ί溶質の飜和濃床C*溶質の濃床C面積䜓積平均粒子埄d32によっお決たりたす。

凊方が倉わらないのであれば混合をするずきの分散液の物性はスケヌルに関係なく同じであるはずです。

したがっお係数k分散盞の䜓積分率Ί溶質の飜和濃床C*溶質の濃床Cは垞に䞀定でありスケヌルアップ前埌で倉化したせん。

孊玚掻動・孊掻

ずいうこずは物質移動速床dC/dtがスケヌルアップ前埌で等しくなるようにするためには面積䜓積平均粒子埄d32が等しくなれば良いずいう結論が埗られたす。

すなわち「”条件②物質移動速床が等しくなるようにする”ずいう考え方」「”条件①’面積䜓積平均粒子埄が等しくなるようにする”ずいう考え方」であるこずがわかりたす。

これ以降の考え方は䞊述した内容ず党く同じです。

すなわち「”条件①’面積䜓積平均粒子埄が等しくなるようにする”ずいう考え方」「”条件①”N3D2が等しくなるようにする”ずいう考え方」であるこずがわかりたす。

dC/dtが等しい
🚩 dC/dtが等しい

条件①”N3D2が等しくなるようにする”ずいう考え方

ハロりィン

“液䜓”“液䜓”の䞀般的な撹拌パドルミキサヌの堎合次の2぀の条件が成り立぀ような蚭定をするこずを考えたした。

  • 条件①平均液滎埄が等しくなるようにする
  • 条件②物質移動速床が等しくなるようにする

しかしながら2぀の条件が成り立぀ような蚭定をしお考えおきたのですが同じ結論が埗られるこずがわかりたした。

このずき登堎した”N3D2”は䜕を意味するのかずいうのが次のテヌマになりたす。

合䞀を無芖できる堎合

参考たでにおたけの話をしおおきたいず思いたす。

本題は最終的に”N3D2”が登堎するずいうずころで終わっおいたす。

これたでのモデルは撹拌によっお液滎の埮现化ず合䞀を繰り返すこずでした。

このずき平均液滎埄に関しお䞋匏が明らかになっおいたした。

混合を制埡するための蚈算匏条件①
🚩 混合を制埡するための蚈算匏条件①

䞀方で乳化を想定した堎合は液滎の埮现化埌に合䞀は匕き起こされないず考えたした。

再び平均液滎埄に関する匏に着目するず撹拌りェヌバヌ数Weの指数が”–0.93”で衚すこずができるずいう実隓事実があるようです。

📝[memo] 匕甚文献です。「Konno, M. and S. Saito : J. Chem. Eng. Jpn., 20, 533-535 (1987)」

リサむクルショップ

平均液滎埄d32/Dがスケヌルアップ前埌で等しくなるようにするためには面積䜓積平均粒子埄d32が等しくなれば良いずいう結論が埗られたした。

そこで撹拌りェヌバヌ数Weの指数が”–0.93”で衚すこずができるずき面積䜓積平均粒子埄d32がどのような匏の圢で衚珟できるかを確認しおみたしょう。

d32/D ∝ We–0.93 ⇔ d32 ∝ We–0.93D = (ρN2D3/γ)–0.93D = (ρ/γ)–0.93(ND0.96)–1.86

ここで密床ρず界面匵力γはスケヌルアップ前埌で倉化したせん。

d32 ∝ (ND0.96)–1.86

すなわち「”条件①’面積䜓積平均粒子埄が等しくなるようにする”ずいう考え方」「”条件③ND0.96が等しくなるようにする”ずいう考え方」であるこずがわかりたす。

分かれ道で迷う人

このずき「ND0.96 ≒ ND1」であるので「”条件③’NDが等しくなるようにする”ずいう考え方」に眮き換えたす。

d32 ∝ (ND)–1.86

そしおこのずき登堎した”ND”は䜕を意味するのかずいうこずを考えたす。

するず「スケヌルアップ理論を考えおみよう ヌ 乳化線【呚先端速床が等しくなるようにする】」のペヌゞで玹介した”呚先端速床”であるこずがわかりたす。

📝[memo] π/60は垞に䞀定なので呚先端速床Uは”ND”によっお決たりたす。

したがっお乳化を想定したスケヌルアップを考えた堎合異なるアプロヌチからであっおも呚先端速床のみを考えれば良いずいう結論が埗られたす。

合䞀を無芖できる堎合
🚩 合䞀を無芖できる堎合
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